流動性とは? 粘度との違い、種類、応用例、測定方法まで徹底解説

流動性とは、物質において力学的、熱的、化学的に平衡に保った上で体積を変えずに移動する現象を意味します。粉体や液体に見られる挙動で粘度と反比例する物性値です。樹脂の成型、チューブの絵具や歯磨き粉の設計に重要な役割を担います。本記事では流動性について粘度との違い、種類、応用例、測定方法などを解説します。

目次

流動性とは

流動性とは、物質が同じ場所に留まらず移動していくことを意味します。言い換えると、体積を変えずに力学的、熱的、化学的に平衡を保ったまま移動することです。

一般的には液体やスラリー(固体と液体の混合物)、粉体が示す物理的な挙動です。流動性という概念は人や資金の流れのことも含みますが、この記事では化学物質の流動性に絞って解説します。

流動性と粘度の違い

流動性を理解するうえで、あわせて理解しておくべき物理特性に粘性があります。粘性は高ければ高いほど流れにくくなり、流動性と逆の挙動を示します。

流動性と粘性のバランスが重要になる例として、樹脂の成型プロセスがあります。

射出成形は、樹脂に熱を加え粘度を低下させ流動性を付与し、金型に流し込み冷却して行います。流動性が高すぎると冷却した際にひずみや割れの原因となり、粘度が高すぎると上手く型に流れず成型不良が生じます。

流体挙動の種類

次の表に流体の種類についてまとめました。表中の、擬塑性流体、ビンガム流体、ダイラタント流体は、非ニュートン流体に属します。

流体の種類解説
ニュートン流体せん断応力がせん断変形速度に比例する流体のこと。与える力が変わっても粘度が変わらない性質をします
非ニュートン流体ニュートン流体の挙動に従わない性質を持つ流体のこと
擬塑性流体ある一定の力を加えるまでは高い粘度を示すが、それを超えると流動性が高まる(粘性が低下する)流体のこと
ビンガム流体ある一定以上の力が加わると流動し始める流体のこと。流れ始めた流体はニュートン流体を示す
ダイラタント流体擬塑性流体と逆の挙動を示し、ある一定の力を加えるまでは粘度が低いが、それを超えると流動性が低下(粘性が高まる)する流体のこと

流動性の応用例

物質の流動性を利用した応用例を3つ紹介します。

1つ目は、ボールペンです。ボールペンのインクは液体です。細いカートリッジ入っているとき、この液体は流れずに低い流動性を保っています。

しかし、ペン先で文字を書くときには流動性が高まり、紙にインクが転写します。これは、加えた力によって流動性が高まる擬塑性流体の例です。

2つ目は、チューブに入った絵具や歯磨き粉のように、力を加えると流動性を示して外に出てくるペースト状の物質です。ビンガム流体の例として挙げられます。

3つ目は、およそ1対1で水と混ぜた片栗粉です。水溶き片栗粉は素早くかき混ぜようとすると流動性が低下し、固まったようになりますが、ゆっくり混ぜると上手く混ぜられます。加えた力が大きいと流動性が高まるダイラタント流体の例です。

流動性の測定方法

液体の場合、流動性と粘性は反比例の関係にあるため、粘度を測定すれば流動性が評価できます。粘度の測定には、毛細管粘度計(オストワルド法、ウベローデ法など)、回転粘度計(スピンドル法、コーン法など)、振動粘度計(音叉式、振動板式など)があります。

粉体の流動性を測定する場合は、粉体を上から落下させて円錐状に堆積させ、裾野の角度(安息角)を測定する方法や、粉体に垂直応力を付加させて、せん断応力を加えるせん断法があります。その他、Jenikeセルやリングセル法なども挙げられます。

まとめ

本記事では、物質の流れやすさを数値で表した流動性について解説しました。流動性とは、粘性と反比例する物性値です。流体は大きくニュートン流体と非ニュートン流体に分類され、理論的な説明も古くからされています。

主に液体やスラリー、粉体に見られる挙動で、樹脂の成型や歯磨きチューブの中身と形状を決めるときに、重要な指標となります。流動性や粘性の測定方法も数多く存在しています。

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