ポリエーテルとは?用途、構造、性質、製造メーカーについて徹底解説

ポリエーテルは、エーテル結合が繰り返す主鎖を持つポリマーの総称です。主に日用品や産業用の部品を製造する原料として利用されます。また、一部は「スーパーエンジニアプラスチック」にも分類されるハイテク素材です。本記事では、ポリエーテルについて用途、構造、性質、製造メーカーまで解説します。

目次

ポリエーテルとは

ポリエーテルは、その名のとおり分子上に多くのエーテル基を持つポリマーの総称です。

エーテル結合とは、2つの炭素原子の間に1つの酸素原子が結合した構造であり、酸素の両側の炭素を含む化学構造のバリエーションにより様々な種類があります。

このポリエーテルは、汎用の日用品から高機能スーパーエンジニアプラスチックまで、人々の生活を豊かにする製品原料として利用されています。

ポリエーテル化合物について

ポリエーテルに属する化合物には、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンなど様々な種類があります。

また、 エーテル結合が環状に連結したクラウンエーテルと呼ばれるポリエーテル化合物もあります。

ポリエーテルを持つ化学物質の用途

ポリエーテルには、POM樹脂、PEGもしくはPEO、PESU樹脂、ウレタン樹脂などがあります。ポリエーテル化合物とその代表的な樹脂の用途は、次のとおりです。

ポリエーテル名樹脂名用途
ポリオキシメチレンPOM樹脂衣料用のファスナ、電気製品、自動車部品
ポリオキシエチレンPEGもしくはPEO製薬、化粧品、食品、産業用薬品
ポリエーテルスルホンPESU樹脂自動車部品、電子部品、温水器部品
ポリエーテルケトンPEEK樹脂電気・電子、宇宙、自動車部品、医療

ポリエーテルの構造

ポリエーテルには、炭素と酸素が結合したエーテル基の繰り返しが認められます。なかでも、複数のエーテル基が環状に繋がったクラウンエーテルは、繰り返しのエーテル基が環状に繋がることで興味深い特性を示します。

特に環の中の大きさに応じた金属イオンを取り込む性質は、触媒化学的な興味対象として研究者の注目を浴びています。代表的なポリエーテルの構造は、次のとおりです。

ポリエーテル名用途構造
ポリオキシメチレン樹脂原料
ポリオキシエチレン樹脂原料
ポリエーテルスルホン樹脂原料
ポリエーテルケトン樹脂原料
18-クラウン-6研究対象

ポリエーテルの性質

ポリエーテルの性質は、その種類によって様々です。

例えばポリオキシメチレンは、耐疲労性や長期耐久力、耐薬品性にも優れる一方、紫外線によって変色しやすい欠点があります。また、分子量によって液状から固体まで幅広いバリエーションがあり、総じて水溶性で毒性が少なく食品や医薬品にも使用されています。

ポリエーテルスルホンは、高い耐熱性と耐薬品性を示しますが、紫外線には弱く変色しやすい欠点があります。そして、耐薬品性、耐熱性、耐熱水性、難燃性、耐放射線性、機械的強度など多くの利点があることからスーパーエンジニアプラスチックと言われています。

ポリエーテルを持つ物資を製造しているメーカー

ポリエーテルを持つ有機化合物を製造している主な国内メーカーは次のとおりです。様々な用途で、様々なグレードの製品が製造・販売されています。詳細は各社のウェブサイトをご参照下さい。

企業名主な製品名
旭化成株式会社テナック™(ポリオキシメチレン)
三洋化成PEG(ポリオキシエチレン)
三井化学ファイン株式会社三井PES®(ポリエーテルスルホン)

まとめ

本記事では、エーテル結合が主鎖に繰り返すポリエーテルについて解説しました。エーテル結合とは、2つの炭素原子の間に一つの酸素原子が挿まれた官能基を持っています。

POM樹脂、PEGもしくはPEO、PESU樹脂、ウレタンの樹脂などは、代表的なポリエーテルです。これらは高い耐熱性や耐薬品性、強い機械的強度を持つ樹脂が多く、日用品からハイテク部材まで幅広い分野で使用されています。

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記事監修者

池端 久貴のアバター 池端 久貴 代表取締役

代表取締役 池端 久貴
化学メーカーで営業、半導体装置メーカーでマーケティングの経験を経て、総合研究大学院でマテリアルズ・インフォマティクスを研究。その後、統計科学博士を取得し、旭化成(株)でマテリアルズ・インフォマティクスや自然言語処理技術活用の推進に従事。2022年に(株)CrowdChemを創業。

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