新素材研究者が特許データベースを活用するメリットとは|具体的な活用方法も解説

新素材開発において新規テーマに着手する際、「参考特許をもとに実験計画を策定したいが、検索しても特許がヒットしない」「参考特許で使われている原材料を試したいが、特許を読んだだけでは原材料をどこから購入すべきかまで把握できない」とお悩みではないでしょうか?

このような悩みを解決し、新素材開発を効率化させる手段として、特許データベースの活用が注目を集めています。CrowdChem Data Platformの特許データベースを使うことで、求める条件に応じてピンポイントで検索できるだけでなく、特許で使われている原材料をどこから仕入れればよいかまで把握できます。

この記事では、化学分野のあらゆるデータベースを提供している株式会社CrowdChemが、特許データベースを活用する理由やメリットを詳しく解説します。

弊社のCrowdChem Data Platformの特許データベースを活用した具体的な検索手順も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

新規テーマに着手する研究者の望み

ここでは、研究者が新規テーマに着手する際に想定されるポイントを整理していきましょう。

新規テーマに取り組む目的と重要性を深く理解するため、「新規テーマの技術背景を詳しく知りたい」とお考えではないでしょうか?

たとえば、新規テーマが現在注目されている分野だとすれば、以下のような背景を把握したいと考えるかもしれません。

  • なぜその分野が注目されるようになったのか
  • 新規テーマに関連する既存の技術
  • 既存の技術における問題点(新規テーマに取り組むことで、どのような課題の解決につながるか)

さらに、「実験の原材料をどこから購入すべきかもっと効率的に把握したい」とお困りではないでしょうか?新規テーマの実験に取り掛かるにあたり、研究者がすべきことは実験手順や原材料をまとめるだけではありません。原材料をどこから仕入れるかまで調査する必要があり、調査に予想以上の時間コストがかかると想定されます。

新素材開発における特許データベースの活用

こうした研究者の要望を満たす手段として、企業や大学、研究機関などの特許を一括検索できる特許データベースの活用が注目されています。

特許データベースを使いこなせば、上記のような要望を満たすことはもちろん、その他にもさまざまなメリットを享受できます。そこで以下では、特許データベースを活用する理由やメリットを解説していきます。

特許データベースを活用する理由

特許データベースを活用する1つ目の理由として、既存技術や技術動向を効率的に把握することが挙げられます。

特許データベースを提供するプラットフォームごとに、検索項目に違いはあるものの、IPCコードや発明の名称、物性値など多くの項目が用意されていることが一般的です。これらの項目で条件を細かく設定することで、既存技術についてピンポイントで検索できます。また、特定の技術に関する特許件数の年次推移をグラフ化できる機能がついていることもあります。こうした機能を活用することで、特許データベースを活用しなかったときと比べて技術動向を把握しやすくなるでしょう。

2つ目の理由として、競合他社の把握や分析を効率的に行うことが挙げられます。

特許データベースには、特定の分野や技術に関する特許を出願している企業について、企業名や特許件数をグラフとして表示させる機能が備わっていることがあります。この機能を使いこなせば、指定した分野や技術における企業の全体像を確認でき、競合他社を効率的に把握できます。また、特定の企業1社に絞って検索し、その企業の特許出願分野や特許件数をグラフ化すれば、その企業がどのような分野に注力しているかを容易に把握できるでしょう。

特許データベースを活用するメリット

続いて、特許データベースを活用するメリットを簡潔に解説します。

特許データベースを活用しなかった場合、その特許で使用されている原材料や物質の名称を把握できても、それらの詳細までは把握できません。一方、特許データベースを提供するプラットフォームによっては、原材料や物質の詳しい情報まで把握できることがあります。

たとえば、原材料メーカーなどの詳細を確認できる場合、原材料をどこから購入すべきかをスムーズに把握できるでしょう。検索した特許に記載されている物質の使用例とは異なる使用例を把握できる場合、物質の新たな使い方を効率的に探索できます。

特許データベースを提供するCrowdChem Data Platform

弊社のCrowdChem Data Platformは、化学分野に特化したデータベースや解析機能を提供しています。

同プロダクトの特許データベースには、キーワードやIPCコード、出願人など、必要な条件に応じて検索できる機能が備わっています。特許データベースは一部無料でご利用いただけますが、有料ユーザー登録をしていただくと、実施例に記載されている物性名や物性値から絞り込むことも可能です。絞り込んだ検索結果から、特許の概要や実施例を容易に把握できます。

また、同プロダクトのシンプルかつモダンなユーザーインターフェースは、お客様から高く評価いただいております。

有料ユーザー登録をしていただくと、「特許分析機能」も利用いただけます。この機能では、原材料メーカーや出願人、物性名などの項目ごとに特許を絞り込み検索し、棒グラフ・円グラフ・バブルチャートで可視化できます。これにより、検索した分野や技術の全体像をスムーズに把握することが可能です。

ここからは、特許データベースの活用方法について、2つのケースを例に挙げてご紹介していきます。

ユースケース1:特許に記載されている原材料について知りたい

特許に記載されている原材料について調べることで、実験計画を効率的に策定し、原材料の仕入れ先を把握したいと考える研究者は多いものです。ただ、特許を閲覧できるプラットフォームによっては、使われている原材料の名称は把握できても、それ以上の情報は把握できないことも少なくありません。

CrowdChem Data Platformでは、特許で使われている原材料の名称だけでなく、原材料メーカーや特徴まで把握することが可能です。

ここでは、「化粧組成物」に関する特許で使用されている原材料を調べるケースを想定して、検索手順を解説します。

1.CrowdChem Data Platformにアクセスし、「特許データベース」をクリックします。

2.画面左側の絞り込み欄にある「データセット」から「化粧組成物」を選択したら、絞り込みをクリックします。

3.絞り込まれた複数の特許の中から、所望の特許をクリックすると、発明の名称や概要、実施例などがひと目でわかります。

4.画面を下にスクロールすると、特許で使用されている原材料を確認できます。

5.記載されている複数の原材料の中から、所望の原材料を選択します。

たとえば、「Aristoflex AVC」をクリックすると詳細画面に遷移し、原材料メーカーや特徴、その原材料が使用されている特許の一覧を閲覧できます。

このようにCrowdChem Data Platformを使うことで、特許に記載されている原材料の詳細を容易に確認できます。

ユースケース2:特許に記載されている物質から他の使用例を知りたい

特許に記載されている物質には他にどのような使用例があるのか調べることで、想定していなかった使い方を発見し、自社の新素材開発に活かしたいと考える研究者もいるでしょう。

CrowdChem Data Platformでは、物質の他の使用例を特許に紐づけており、プロダクト上でスムーズに把握することが可能です。

以下では、先ほどの手順と同様に「化粧組成物」に関する特許を絞り込み検索したケースを想定し、手順を解説します。

1.絞り込み検索した特許の中から所望の特許をクリックすると、特許の詳細ページに遷移し、特許に記載されている物質を把握できます。

2.記載されている物質の中から、所望の物質を選択します。

たとえば、「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」をクリックすると物質の詳細に遷移します。すると、該当の物質の分子式や分子量、その物質が使用されている特許の一覧などが表示されます。

3.特許の一覧から所望の特許をクリックすると、詳細を確認できます。

たとえば、「口唇化粧料」をクリックして実施例を確認すると、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは紫外線防御機能向上を目的として使われていることが把握できます。

このように、CrowdChem Data Platformを使えば、特許に記載されている物質の他の使用例を知ることもできます。

特許の把握が新素材開発を効率化する

CrowdChem Data Platformの特許データベースは、特許に記載されている原材料や物質の詳細が紐づいているため、スムーズに検索できます。

また、特許データベースから関心のある特許を選択し、その特許の実施例で使われている原材料を、プロダクトに収録されているさまざまな原材料に置き換えたとき、どのように物性が変化するかを予測することも可能です。これにより、求める物性値となる原材料候補を選定できます。

CrowdChem Data Platformの特許データベースを活用した新素材開発の効率化にご興味がある方は、ぜひご活用ください。

※一部機能は無料でご利用いただけます。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる