株式会社CrowdChemは、「CrowdChem Data Platform(クラウドケム データ プラットフォーム)」の掲載データを拡充し、新機能「特許分析」を追加したことをお知らせします。
製品カタログと物質・特許データベースのデータ拡充
この度、化学製品、化学物質、特許の情報を独自に収集・集約したプロダクト「CrowdChem Data Platform」において、収録データを以下のように拡充しました。データ拡充により、関心のある製品や特許などを検索したときに表示される情報量が大幅に増加します。
収録データ件数の変化 | ||
収録データの種類 | 拡充前(件) | 拡充後(件) |
製品データベース | 6,800 | 190,000 |
物質データベース | 1,200 | 9,200 |
特許データベース | 1,900 | 60,000 |
特許分析機能の追加
特許情報を提供する一般的なデータベースでは、掲載データが膨大であるため、全体像を把握するのに多大な労力が必要とされることが課題となっています。このような課題を解決するため、本プロダクトでは新機能「特許分析」を追加しました。この新機能により、ユーザーは効率的に特許情報を分析・把握できるようになり、業務の効率化を図ることができます。
この機能では、次のような表示項目ごとに絞り込み検索し、棒グラフ・円グラフ・バブルチャートで可視化することが可能です。これにより、検索した分野や技術の全体像をスムーズに把握できます。
- メーカー
- 出願年
- 出願人
- 物性名
- 製品名
以下では、表示項目別に使用例をご紹介します。
※特許分析機能ではすべての特許を分析できるわけではなく、プロダクト上に収集・集約されている特許を分析できます。また、本機能は有料ユーザー様のみご利用いただけます。
メーカー
メーカーとは、特許に記載されている製品(原材料)の製造元を指します。
たとえば、画面左の絞り込みのIPCの欄で「B32 積層体」、画面右の可視化タイプは「棒グラフ」、表示項目は「メーカー」を選択して検索すると、以下のグラフが表示されます。
上記の検索結果から、島津製作所や東ソー、三井化学などが、積層体で使用する製品(原材料)を多く製造していることを把握できます。
また、各メーカーの棒グラフをクリックすると、特許データベースの詳細を閲覧することが可能です。たとえば、上記のグラフにおいて島津製作所の棒グラフをクリックした場合、以下のページに遷移します。
棒グラフのほかに、円グラフで可視化することも可能です。棒グラフと同様、各メーカーをクリックすると特許データベースの詳細を閲覧できます。
出願年
左の絞り込みのIPCの欄で「B32 積層体」、可視化タイプは「棒グラフ」、表示項目は「出願年」を選択して検索した場合、積層体に関する特許が出願された年の傾向を把握できます。
出願人
左の絞り込みのIPCの欄で「B32 積層体」、可視化タイプは「棒グラフ」、表示項目は「出願人」を選択した場合、以下のグラフが表示されます。
この検索結果から、大日本印刷株式会社や凸版印刷株式会社、日東電工株式会社などが、積層体に関する特許を多く出願していることがわかります。
また、左の絞り込みの出願人の欄で「三井化学株式会社」、可視化タイプは「バブルチャート」、表示項目は「出願年×出願人」を選択して検索すると、絞り込んだ企業の出願年ごとの件数を把握できます。
ただし、共同出願人も表示される仕様になっているため、指定の企業名以外も表示されることがあります。
物性名
左の絞り込みのIPCの欄で「B32 積層体」、可視化タイプは「棒グラフ」、表示項目は「物性名」を選択した場合、積層体に関する特許に記載されている物性名を把握できます。
上記のグラフから、誘電率や誘電正接、剥離強度といった物性名が、積層体に関する特許に多く記載されていることを把握できます。
また、左の絞り込みのIPCの欄で「B32 積層体」、可視化タイプは「バブルチャート」、表示項目は「出願年×物性名」を選択して検索すると、以下のチャートが表示されます。
このチャートから、出願年に対する物性名のトレンドを把握することが可能です。
製品名
左の絞り込みのIPCの欄で「B32 積層体」、可視化タイプは「棒グラフ」、表示項目は「製品名」を選択して検索すると、以下のグラフが表示されます。
この検索結果から、KBM-403やコロネートLなどが、積層体においてよく使われている製品であることがわかります。
特許分析機能によって可能になること
特許分析機能によって可能になることとして、以下が挙げられます。
- 競合把握
- 特定の企業における研究分野などの分析
- 企業間の相関の分析
競合把握
特許分析機能を使うことで、競合他社の把握が可能になります。
たとえば、左の絞り込みのIPCの欄で「B32 積層体」、表示項目を「出願人」にしてグラフ化すると、積層体を製造している企業の全体像を把握できます。
特定の企業における研究分野などの分析
特定の企業1社について分析をすることも可能です。
具体的には、左の絞り込みの出願人の欄で「DIC株式会社」、表示項目は「製品名」を選択することで、その企業がどのような研究開発に注力しているかを把握できます。
企業間の相関の分析
特許分析機能では、企業間の相関を分析することもできます。
たとえば、左の絞り込みのIPCの欄で「B32 積層体」、可視化タイプは「バブルチャート」、表示項目は「メーカー×出願人」を選択して検索すると、出願人がどのメーカーの製品を使用しているのかを把握できます。
表示されたチャートから、積層体において、凸版印刷株式会社は三井化学株式会社の製品を使用していることがわかります。
データ拡充と特許分析機能により利便性が向上
データ拡充と特許分析機能の追加により、関心のある製品や特許などを検索する際の利便性が向上します。
今後も本プロダクトでは、化学製品、化学物質、特許に関する収録データを拡充していく予定です。なお、まだ搭載されていない領域については、データベースや学習モデルの構築などをカスタマイズできる「カスタマイズサービス」で対応いたします。
株式会社CrowdChemが提供する「CrowdChem Data Platform」では、独自に収集したデータをもとに化学分野に関する情報を提供するプラットフォームです。AIによるデータ分析や、製品・物質・特許などの各種データを検索・閲覧できます。本プロダクトの詳しい情報は、以下よりお気軽にお問い合せください。