書籍執筆のご報告と International Workshop on Polymer Data での議論参加について

2026年2月13日発行の専門書「マテリアルズインフォマティクス・AIを活用した、現場で“即”活かせる材料開発事例集とMIの将来像」(B5判・344ページ)において、株式会社CrowdChemの技術者が一節を執筆いたしました。
書籍紹介・購入ページ:https://andtech.co.jp/books/1f100d89-5870-60a8-9e67-064fb9a95405
本書の第1章 第2節「フローチャート形式による実験表現による高分子材料実験データの統一的表現」において、高分子材料分野におけるMI導入の根本課題である「実験情報の一貫した表現」について論じています。
当社における執筆者プロフィール
池端 久貴
株式会社CrowdChem 代表取締役
博士(統計科学)
中尾 篤之
株式会社CrowdChem リードデータサイエンティスト
博士(マテリアルズインフォマティクス)
書籍執筆について -実験表現の課題と提案-
高分子材料では、構造、共重合比、分子量分布、添加剤、合成条件、成形プロセス、評価手法など、物性に影響する要素が多岐にわたります。その結果、
・テーブル型データでは将来的な拡張に制約が生じやすい
・欠損値が多く、安定したモデル構築が困難
・過去データの継続的活用が難しい
といった構造的課題が生じています。
本稿では、実験をステップ単位に分解し、フローチャート形式の有向グラフとして構造化するデータアーキテクチャを提示しました。
この実験グラフは Graph Neural Network(GNN)により直接学習可能であり、
・マルチタスク学習
・大規模実験データに基づく化学基盤モデル構築
・少数データでのファインチューニング
を通じて、日々の実験と大規模知識を接続する枠組みを実証しています。
議論参加について -国際的議論との接続-
こうした「ポリマーデータの構造設計」は、現在国際的にも重要なテーマとなっています。
2026年3月5日よりUniversity of Notre Dameにて開催される「International Workshop on Polymer Data」(https://polymerdataworkshop.nd.edu/)に、CrowdChemも参加いたします。
本ワークショップではポリマーデータの標準化、データ統合、基盤AIモデル構築に向けた議論が行われます。
本書で提示した実験フローチャート型アプローチは、データの将来的拡張性と国際的接続可能性を見据えた設計思想という点において、こうした議論と方向性を共有するものです。
CrowdChemは今後も、実験データの構造化とAI活用を通じて、材料開発における持続的なデータ基盤の構築に取り組んでまいります。


