【アクリル樹脂とは?】用途、種類、特徴、物性、メーカーについて解説

アクリル樹脂とは高い耐久性と透明性に特長のあるプラスチック樹脂です。本記事では、アクリル樹脂について詳しく解説します。用途、種類、特徴、物性などの解説を通し、アクリル樹脂についての理解を深めましょう。

目次

アクリル樹脂とは

アクリル樹脂とはアクリル酸やメタクリル酸の誘導体を重合して得られるプラスチック樹脂です。高い耐久性と透明性に特長があります。金型を使って様々な形状に加工できたり、切削、切断、接着などもしやすく、日常品の多くに使用されています。

アクリル樹脂の用途

水族館の水槽や、浴槽、洋式トイレ、自動車のランプ、照明カバー、食器などにも使用され、私たちの生活を便利にしてくれています。

アクリル樹脂の種類

アクリル樹脂は、その成分(構成モノマー)により幾つかの種類があります。

ポリメタクリル酸メチル(PMMA)

ポリメタクリル酸メチルはメタクリル酸メチルが主成分です。ガラスより軽量で耐衝撃性があります。フィルム、シート、塗料などに使用されています。

ポリアクリル酸エステル

ポリアクリル酸エステルはアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルやスチレンなどとの共重合体です。高い透明性に加え、耐油性、耐候性に優れています。塗料や接着剤、粘着剤に使用されています。

ポリアクリル酸ナトリウム

ポリアクリル酸ナトリウムは、アクリル酸ナトリウムにアクリル酸エステルや酢酸ビニルなどを共重合させて製造します。高い吸水性を利用し、紙おむつや生理用品に使用されています。

ポリアクリロニトリル

ポリアクリロニトリルは、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの共重合体です。高いガスバリア性を示すことから、食品包装用フィルムなどに使用されています。

ポリアクリルアミド

ポリアクリルアミドはアクリロニトリルを加水分解して得られるアクリル系ポリマーです。高分子凝集剤として工業用に排水処理や下水処理に使用されます。

アクリル樹脂の特徴

アクリル樹脂の特徴を他の透明性の高い素材と比較しながら解説します。

アクリル樹脂vsガラス

アクリル樹脂は透明度と強度の観点から、ガラスがライバルになります。ガラスより半分の重さで2倍近くの強度があります。また、割れた時に飛散しにくく、様々な形に加工しやすいことからガラスより広い用途に使用されています。しかし、ガラスに比べ熱に弱く、傷が付きやすいという欠点があります。

アクリル樹脂vsポリカーボネート

アクリル樹脂を同じプラスチックのポリカーボネートと比較します。アクリル樹脂はポリカーボネートより高い透明度と耐擦傷性(傷のつきにくさ)を示します。また加工性も高く様々な形に加工するのに適しています。しかしながら、ポリカーボネートより強度が低く、耐火性が劣ります。

アクリル樹脂の物性

代表的なアクリル樹脂(メタクリル樹脂)の化学特性を下記の表にまとめました。

物理化学的特性メタクリル樹脂
透明性​​透明-不透明
比重1.17-1.20
引張強さ(MPa)48-73
破断時伸び(%)2-5
引張弾性率(MPa)2,200-3,200
圧縮強さ(MPa)73-125
曲げ強さ(MPa)73-131
衝撃強さ(J/m)11-22
硬度M68-105
参照:「プラスチック読本」(プラスチックス・エージ発行)

アクリル樹脂を製造しているメーカー

アクリル樹脂を製造している主な国内メーカーは下記です。様々な用途に、様々なグレードの製品が製造・販売されています。詳細は各社のウェブサイトをご参照下さい。

企業名主な製品名
三菱ケミカル株式会社アクリライト™、コーポニール™、アクリペット™など
株式会社日本触媒アクリビュア®など
三井化学株式会社アルマテックス®など
DIC株式会社アクリディック、ファインタック、クイックマスターなど
住友化学株式会社スミペックス®など

まとめ

アクリル樹脂は、水族館の水槽や、浴槽、洋式トイレ、自動車のランプ、照明カバー、食器など多くの日用品で使用されています。メタクリル酸メチル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリル酸エステルや酢酸ビニルなどのモノマーの組み合わせで様々な機能をもつアクリル樹脂が製造できます。

株式会社CrowdChemが公開した「CrowdChem Data Platform(クラウドケム データ プラットフォーム)」では、”アクリル樹脂にカテゴライズされる製品のカタログ情報” や “その製品と紐づいた特許情報” を含む、化学分野に関する知見や知識を提供しています。

一部は無料でご利用いただけますのでぜひご活用ください。

「CrowdChem Data Platform(クラウドケム データ プラットフォーム)」の無料トライアルはこちらから。

株式会社CrowdChemについて詳しくはこちらから。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

記事監修者

池端 久貴のアバター 池端 久貴 代表取締役

代表取締役 池端 久貴
化学メーカーで営業、半導体装置メーカーでマーケティングの経験を経て、総合研究大学院でマテリアルズ・インフォマティクスを研究。その後、統計科学博士を取得し、旭化成(株)でマテリアルズ・インフォマティクスや自然言語処理技術活用の推進に従事。2022年に(株)CrowdChemを創業。

目次
閉じる